原点や基本に立ち返ることで評価されたウイスキー

今日は、いつも楽しく読ませて頂いているメルマガから
【原点や基本に立ち返ることで評価されたウイスキー】を紹介致します。

 

【原点や基本に立ち返ることで評価されたウイスキー】

キリンビールの国産ウイスキー事業が好調なようで、それを支える商品の
1つに『キリンウイスキー 陸』があります。

『陸』は、2020年に発売され、キリングループ唯一の蒸溜所である
キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所で製造されています。

その製造過程で使用される主な原酒は、富士御殿場蒸溜所で製造される
グレーンウイスキーとモルトウイスキーです。

これらの原酒を巧みにブレンドすることで、『陸』はほのかな甘さと
滑らかな口当たり、そして何層にも広がる香味豊かな美味しさを実現して
います。

『陸』の企画が始まったのは、ウイスキーが男性がバーでうんちくを
語りながら飲むという旧い文化が定着していた時代でした。

そこで、キリンビールは魅力的な新しい文化を提供できるウイスキーと
して『陸』を企画しました。

その背景には、2019年に富士御殿場蒸溜所で約80億円の設備投資が
行われたことがあります。

その理由としては、日本のウイスキー市場が右肩上がりで伸張していたこと
、そして日本のウイスキーが世界的に評価されるようになったことが
挙げられます。

特に、2010年代に入り、日本のウイスキーが世界的に権威のある
コンテストで金賞を受賞し、同社のウイスキーも国際的ウイスキー
コンテストの「ワールド・ベスト・グレーンウイスキー」を受賞し、
世界最高峰のグレーンウイスキーとして認定されるなどの実績が
ありました。

これらの市場の拡大と世界的な高評価からキリンビールはウイスキーに
注力することを決定しました。

その一環として、樽熟成庫の増強をはじめ、発酵・蒸留設備の新規導入を
行いました。

そして、ウイスキー事業に注力するにあたり、ブランドの見直しも行いました。

プレミアムクラスの高価格帯の『富士』と、手頃な価格で購入できる
『陸』の2つに再編することにしました。

しかし、発売当初の『陸』の販売は振るわず、2020年の売上は7億円、
翌21年は7.7億円と、いずれも目標未達でした。

ユーザーの評価もポジティブなものとネガティブなものに分かれ、特に
パッケージデザインは「ウイスキーらしくない」というネガティブな評価を
受けました。

そこで、キリンビールは2021年5月に『陸』の全面リニューアルを決定
しました。

その中で、中身はもちろんのこと、すべての点を反省しました。

そして、どういうウイスキーが求められているのか、自分たちは、
これまでどういうウイスキーづくりをしてきたのか、といったことを
繰り返し問い直すことにしました。

その結果、中身については大幅に変えることにしました。

グレーン主体にモルトをブレンドした点は同じですが、
原酒はほぼ富士御殿場蒸溜所で製造したものを使用しました。

その結果、飲みやすくフルーティーな味わいに仕上がり、昔から同社の
ウイスキーを飲んできた人には親しみのある味わいになりました。

また、パッケージデザインについても、何百ものデザイン案を検討し、
金文字を使った正統的なデザインに落ち着きました。

これにより、「得体の知れないもの」と見られていた『陸』は、王道の
ウイスキーとして認識されるようになりました。

そして、2022年4月、リニューアルされた『陸』が発売されました。

発売後の消費者コミュニケーションも、リニューアル前とは異なるものに
なりました。

リニューアル前は店頭での施策に軸足を置いていましたが、
リニューアル後は広告を活用し、テレビCMの放映やデジタル広告の
配信のほか、キャンペーンも実施しました。

このように、キリンビールはユーザーを正しく、そして深く理解し、
原点や基本に立ち返ることで、『陸』の成功を実現しました。

キリンビールがウイスキーをつくり始めてから50年が経ちますが、
その歴史とチャレンジャーの精神は、これからも新たなウイスキーの
創造に繋がるのではないでしょうか。

<キリンウイスキー 陸 ブランドサイト>
https://www.kirin.co.jp/alcohol/whisky_brandy/riku/

 

 

※市場が何を求めているか。

しっかりじっくり考えることは、重要ですね。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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