少数派の意見を取り入れて作られたヒット商品 

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【少数派の意見を取り入れて作られたヒット商品】を紹介致します。

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【少数派の意見を取り入れて作られたヒット商品】

冬が終わり暖かくなると、色々な虫が出てきますが、その中でもゴキブリは、

出来ればお目にかかりたくない虫だと思います。

ゴキブリ退治の方法として、

1. 新聞をまるめて叩く
2. ごきぶりホイホイを使う
3. 殺虫剤を使う

といった対応が代表例です。

今日は、3の殺虫剤に関するヒット商品についてご紹介します。

そのヒット商品とは、フマキラーの「ゴキブリワンプッシュ」という商品です。

この商品は、ゴキブリが部屋の隙間に逃げた所にワンプッシュするだけで、

隠れていたゴキブリが追い出されて力尽きて死ぬというものです。

実は、この商品を開発するにあたり、参考になった商品は、

同社の「おすだけベープ」という商品でした。

おすだけベープを部屋の空間に向けて噴射すると蚊が力尽きるという優れた商品です。

おすだけベープは、蚊の対策としては優れた効果を発揮しますが、

薬剤が弱いため、蚊以外の大きな虫にはあまり効果がありません。

ある日、同社社員がホテルに宿泊したときに、部屋にゴキブリが表れたので、

たまたま持っていた、おすだけベープを使うことを考えました。

おすだけベープを部屋中の隙間に何度も何度も噴きつけたところ、

ゴキブリが隙間から出てきて力尽きました。

一般的に、仕留め損ねたゴキブリは隙間に逃げ込みますし、

そもそも隙間に潜んでいます。

したがって、部屋全体に薬剤を行き渡らせる必要はなく、

ゴキブリが潜んでいそうな隙間だけ噴射すればよい、という考えになりました。

ところで、少し話は変わりますが、皆様は、ゴキブリの死骸は見たくない派でしょうか?

それとも、見たくはないけど、確認したい派でしょうか?

このような調査を同社が行ったところ「怖いけど死んだことを確認したい」と

回答した人が3割ちょっとでした。

この3割の人に向けた新商品の開発が始まりました。

このニーズを満たすためには、即効性がある成分だと、隙間でゴキブリが死んでしまい、

死骸を確認できないという課題が残ります。

一方で遅効性の成分だと、いつまでもゴキブリに歩き回られると困ります。

薬剤がかかると隙間からヨタヨタと出てきてパタッと死ぬという条件に

適した有効成分の特定に時間を費やしました。

その結果、有効と判断されたのは「d・d-Tシフェノトリン」という成分でした。

これがゴキブリにかかると神経細胞が興奮状態となって、

表に出てきながら力尽きる事に適したことが分かったのです。

その後、「ゴキブリワンプッシュ」という商品で2016年8月に販売したところ、

30万個以上売れるヒット商品となりました。

<ゴキブリワンプッシュの最新商品>
https://fumakilla.jp/insecticide/1466/

死骸を確認したいという気持ちは、「まだゴキブリがいるかもしれない」

という恐怖から開放されたい、という願望があるからだと思います。

通常であれば、死骸を見たくないという7割に合わせた商品開発を企画しがちですが、

少数派に着目したからこそ、上記のニーズをとらえてヒットさせることが

できたのではないかと思います。

※“ゴキブリにシュッと吹き付けて退治するモノ”は、このようなエピソードと

少数派の意見から誕生したのですね。

まさに『必要は発明の母』ですね。

今日も、最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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