裏レシピを商品化することでヒットした商品
今日は、いつも楽しく読ませて頂いているメルマガから
【裏レシピを商品化することでヒットした商品】を紹介致します。
【裏レシピを商品化することでヒットした商品】
近年、お湯を注ぐだけでミルクティーができる便利なティーバッグが現在
人気を集めています。
その商品とは、『日東紅茶 ミルクとけだすティーバッグ』という商品です。
今日は、このティーバッグについて紹介したいと思います。
この商品の誕生のきっかけは、三井農林の工場で働くスタッフが、
ティーバッグで淹れた紅茶に粉末インスタントの『ロイヤルミルクティー』
を混ぜて飲んでいたことでした。
これは、以前から裏レシピのように親しまれてきた飲み方で、2つを合わせると
濃厚で美味しくなるということが知られていました。
この裏レシピを商品化するアイデアは、当初は具体的な形にはなりませんでした。
しかし、研究所の開発チームは商品化の可能性を見出し、2018年頃から
具体的な構想が始まりました。
そして、2020年初頭に正式に商品開発がスタートしました。
開発の初期段階では、オリジナルブレンドとアールグレイの2種類の商品を
考えていました。
そして、味づくりでは砂糖不使用にこだわりました。
これは、ミルクティーの市場動向から甘さなしのニーズが確実に存在することを
見つけたからです。
特に、紅茶ユーザーの約44%が無糖ストレートを好み、ミルクティー好きの
約28%が甘さあり/なしを問わないという結果が出ていました。
しかし、商品開発には多くの困難が伴いました。
特に、クリーミングパウダーとティーバッグに使うフィルター素材の選定は
難航しました。
クリーミングパウダーは茶葉より小さいため、充填から店舗への配送までの
間に振動などで外に漏れてしまう恐れがありました。
その一方で、お湯が瞬時に入り込む必要がありました。
これらの相反する要素を両立するフィルター素材を見つけるために、
数十種類以上の素材を試しました。
また、物性の異なる茶葉とクリーミングパウダーを、配合比率を変えずに
ティーバッグに1つずつ充填するという課題もありました。
これに対応するためには、新たに充填機を導入する必要がありました。
商品開発が完了し、首都圏限定でテスト販売を行ったところ、好評を博しました。
その結果、設備投資と全国発売が決定しました。
しかし、パッケージデザインはまだ改善の余地がありました。
そこで、AIを活用してパッケージデザインを決定しました。
全国発売後、SNSでの反響が大きく、
特にZ世代からの反応が高かったようです。
これは、ティーバッグ紅茶にあまり親しんでこなかった若い世代にも興味を
持ってもらうことができたからです。
そして、2022年度には前年度から約3倍にまで売上が伸び、
大成功を収めました。
これは、ニーズに応えた商品、高い完成度、そしてSNSでの注目という
3つの要素が重なった結果だと言えます。
現在も新アイテムの開発が進められています。
『日東紅茶 ミルクとけだすティーバッグ』シリーズは、1つの袋に2つの
材料を合わせて抽出するという新しい紅茶の飲み方を発展させていくかも
しれません。
<日東紅茶 ミルクとけだすティーバッグ 商品サイト>
https://www.nittoh-tea.com/products/teabag/mitb_2022/
※画期的な商品を産み出すことは、大変なリスクを伴いますね。
今回のフィルター素材は、素晴らしい開発です。
学んでいきたいと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。