日本語商標の商品を外国で販売する場合のネーミング
今日は、いつも楽しく読ませて頂いているメルマガから
【日本語商標の商品を外国で販売する場合のネーミング】
を紹介致します。
【日本語商標の商品を外国で販売する場合のネーミング】
「あったらいいな」をカタチにすることで有名な企業と言えば
小林製薬株式会社です。
商標登録の権利取得のサポートをさせて頂いている関係から
ネーミングについて、よく相談を受けます。
身近な例として、同社の商標である「熱さまシート」を
ネーミングの成功例としてご紹介しております。
同商品は、「熱が出たら冷却シートをおでこに貼りましょう!」
という新しい習慣をつくる商品ともなりました。
ところで、「熱さまシート」は、この習慣をうまく言葉で表現
していますが、あくまで日本語です。
それでは海外では、どのような商品名で販売されているのでしょうか?
当然ながら、「熱さまシート」という日本語ではありません。
同社は、海外展開にあたって各国の現地調査を行った上で、現地の人に
分かりやすいコンセプトのネーミングにしたそうです。
■欧米■
欧米では、発熱時には解熱剤を使用する傾向があり、日本のように
濡れタオルで頭を冷やすといった習慣がありません。
しかしながら、薬を頻繁に使用することに抵抗がある人もいますので、
そこをターゲットに製品販売に取り組みました。
ところで、ネーミングの方と言えば、
○北米
商品名「 Be KOOOL 」
○英国
商品名「 Fever KOOL'n SOOTHE 」
という風に、「かっこいい、すごい」等の意味があるKOOLの文字が
含まれる商品名が多いです。
■東南アジア■
東南アジアでは、日本と同様に「発熱時にぬれタオルで額を冷やす」という
習慣がある国が多いため、もともと熱さまシートが売れ入れられやすい
下地がありました。
○タイ、ベトナム、インドネシア
商品名「 KOOL FEVER 」
○台湾
商品名「 小林退熱貼 」
○中国
商品名「 氷宝貼 」
香港、台湾、中国では、漢字が使われていますので、我々日本人に比較的
イメージしやすい言葉ではないでしょうか?
アジアの中でも、
特に、中国は一人っ子政策の影響もあり、子供をより大切にする傾向が
強いことが功を奏しヒットに繋がったと言われてます。
中国では、2005年に発売した「子ども用」だけでなく、2012年に
発売した「赤ちゃん用」も好調で、乳児~幼児にわたり長期間で愛用して
もらうことに成功しているそうです。
日本国内に販売する上では、「日本語で伝わりやすい」商品名にする
ことが大切です。
ですが、海外での販売も考慮に入れると、広い視野で商品名を決定する
ことが大切なのではないでしょうか。
となると、やはり英語を使った商品名が汎用性があるかも知れませんね。
※『熱さまシート』が、沢山の国々で販売されていること自体、
素晴らしいと思います。
食品の場合、それぞれの国民の味の嗜好性を考えて、味付けや風味を
変えていると思いますが『熱さまシート』に関しては、中身を大きく
変えてはいないと思いますので、国民性的に受け入れやすいネーミングが
勝負だと思います。
本日も勉強になりました。ありがとうございました。