原点に戻って転倒防止を実現してヒットした商品
今日は、いつも楽しく読ませて頂いているメルマガから
【原点に戻って転倒防止を実現してヒットした商品】を紹介致します。
【原点に戻って転倒防止を実現してヒットした商品】
皆様の中には雨の日に平坦な道の上でスルッと滑ってヒヤリとした経験が
ある方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
平成25年の統計ではありますが、転倒事故の死亡件数は5,301人と非常に
多いです。
このような災害事故を減らすべく、商品を開発した企業があります。
岡山県岡山市に本社がある日進ゴム株式会社という企業です。
同社は、転倒事故の防止に有効なHyperV(ハイパーV)という商品を
開発しました。
この商品の特徴は、従来品に比べて滑りにくさが2.5倍という点です。
同社は、地下足袋の製造から始まり、各種業務用シューズや防振ゴムなど
の開発・製造で約90年の歴史があります。
開発のきっかけは、顧客が競合他社の製品を「滑りにくい」という理由で
採用し、乗り換えられたという苦い経験があったからです。
その苦い経験だけでなく、転倒による労災死亡事故の多さを聞き、社会
貢献という観点からも耐滑性の向上を最優先のテーマにして開発しました。
開発当初は、自然界にヒントを求めて、イモリやホッキョクグマなどの
足裏を研究したこともありましたが、簡単に答えは出ませんでした。
なかなか結果を出すことが出来ない中、社長から開発部長へかけた言葉は
「地下足袋という原点に戻りなさい」
という言葉でした。
地下足袋のV字の連続模様に意味があると考え、様々なパターンを検証
しました。
V字形状のみならず、素材の開発にも平行して力を注ぎました。
素材を構成するゴムと薬剤との無数の組み合わせの中から有望なものを
検証していきました。
V字の連続パターンと素材の選択の最適解を得て、従来に比べて
滑りにくさが2.5倍という耐滑性に優れた靴底を開発しました。
地下足袋の原点から開発されたV字形状の靴底はハイパーVという名前で
発売され、ネット上でも評判になり注文が殺到しました。
開発当初は、水や油が流れる床面を想定して開発されましたが、その後、
顧客からの要望で、粉体が飛散する床面向けの粉ハイパーVも開発しました。
今では同社のシリーズ製品は、50種を超えています。
同社のWebサイトには、HyperVの構造や解説動画などもありますので、
よろしければ、一度ご覧頂ければと思います。
<HyperV>
http://www.nisshinrubber.co.jp/technology/hyper_v/index.html
※とてつもない時間をかけて努力した結果、素晴らしい商品が生まれます。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。