『吉田さん』古代の新田開発で、縁起をかつぐ
今日は〈日本の苗字おもしろ事典〉
(著者:丹羽基二氏、発行所:株式会社明治書院)
『第1章日本のポピュラーな苗字群像』から
【『吉田さん』古代の新田開発で、縁起をかつぐ】
を紹介致します。
田の付く姓の中では吉田が、田中を除いては一番多い。
全国で約60万ある。
吉田姓がなぜそんなに増えたかというと、古代の
新田開発に関係がある。
タンボをつくるには、まず湿地帯が手っ取り早い。
そこで河口や沼沢の近くに求めた。
ここは芦などが生えていたりしたので、田ができると
芦田などとした。
しかし、中には縁起をかつぐ者がいて
「芦には悪しに通ずるから、吉に変えたらよかんべ」
などと言うので吉田になった。
やがて吉田の地名と姓がジャンジャンできた。
すると「うちは吉田は吉田だが、本家と区別しよう」
と言って、佳田・喜田・好田・美田・能田・芳田・
善田・慶田・・・などとした。
吉田も
「うちは橘氏の子孫だから、キチダと呼んでくれ」
などと言う者も出てきた。
名前も姓に合わせて茂・稔・実・早苗・稲・幸・
開・保などとする者も多かった。
※お米の収穫などの縁起をかつぐ為の苗字が『吉田さん』
だったのですね。
元々『芦田さん』だったとは、全く知りませんでした。