典型的な日本語【18】

今日は、『間違えると恥ずかしい日本語500』からです。

☆:×財産を増やす→○財産を殖やす

正しくは「財産を殖やす」。
現代では、どんな場合も「増やす」を使っている場合が多いが
「殖やす」は本来、それ自身の力によって多くすることをいい
「養殖」「殖財」などにみられるように、おもに動植物や財産を
ふやす場合に使われる。
「増やす」は「風呂の水を増やす」「ゴミを増やす」のように、
ほかから加えて多くする場合に使う。

☆:×もぬけの空→○もぬけの殻

「もぬけの殻」とは、セミやヘビの抜け殻のことで、転じて、
人の抜け出たあとの寝床や住居のことをいう。
ポイントは、今までいた気配が感じられるという点。
単に留守という意味ではないから要注意だ。

☆:×予想以下の不振→○予想外の不振

その不振ぶりが予想していたよりも悪かったということを
いうなら「予想外の不振」としたほうがいい。
好調だった場合には「予想以上の好調ぶり」とはいうが
「予想以下の不振」とは言わない。

☆:×悪どい→○あくどい

「あくどい」は、普通よりけばけばしくて嫌な感じという意味で
「あくどい色」、たちが悪い、やり方が汚いという意味で
「あくどい手口」「あくどい商売」といった具合に使われる。
いかにも悪いというイメージなので「悪どい」と書き間違えやすいが、
この「あく」は、「あくの強い人」の「あく」と同じで「灰汁」
の意味。
「くどい」の頭に「あ」がついたものという説もある。
ただし、今では「悪どい」という表記を認めている辞書もある。

☆:×写真を修正→○写真を修整

「修正」は「直して正す」。「修整」は「直して整える」。
写真は、ありのままを写し出したもの。
直して正すことはできないので、陰影や色などに手を加えて整える
「修整」。
「修正」は、文章などの不十分な点を正すこと。
「予算の修正」のように、変更する場合にも用いる。

 

※このシリーズ、1年2ヶ月ぶりです。

いつも、日本語の難しさを痛感するこの本です。

ただ、久しぶりですが、今回に関しては少し考えたり注意したら
解るかもしれませんね。

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